「金庫なんてどれもかわらない」と思っていませんか?
実はそんなことないのです。
防盗性能や耐火性能、設置方法や取り回しなど、いろいろあります。
金庫導入したけれど空き巣に簡単に持っていかれた。
火事になって金庫は残っていたけれど、中身の書類が真っくろこげに・・・
そうなる前に金庫の違いを知ってから購入しても遅くはありません。
警備会社に勤めていた経験をもとに、防犯の視点を含めた金庫の違いを記載しました。
ぜひ最後まで読んでみてください。
-
ホームセキュリティ6社のおすすめ比較ランキング!元警備員がおすすめするセキュリティは?
続きを見る
金庫の種類
金庫の種類についてご紹介します。
耐火金庫
耐火金庫は、おもに火災対策として使われます。
地震の衝撃や火災を想定してつくられます。
ただし一定の火災に耐えることができますが、耐火能力を超えた火災に遭遇すれば中身が焼失することはあります。
いくつかの規格がありますが、加熱試験、落下衝撃試験により基準を満たしたJIS規格、UL規格の記載がされているものがよいです。
他にも規格がありますが、落下衝撃試験等の検査基準がないものもあります。
参考までに60分試験、120分試験のJIS、UL規格での耐火試験の内容です。
耐火30分:843度
耐火60分:927度
耐火120分:1,010度
庫内温度177度以下となっていること、金庫の中に新聞紙を入れておき読める状態となっていることが合格基準です。
フレキシブルコンピュータディスク耐火性能の金庫
火災により電子機器やデジタルメディアを熱から守れるような性能を有した金庫があります。
熱に弱いデジタルメディア用の耐火基準は、上記試験で52℃、湿度80%未満に保たれたものとなります。
フレキシブルコンピュータディスク用耐火性能が記載されます。
防盗金庫
防盗金庫は、おもに防犯目的で使われます。
日本セキュリティファニチュア協同組合連合会(日セフ)がドリルやハンマーなどの工具による破壊行為や、焼き切りに耐えられるかをテストして基準をクリアしたものを防盗金庫としています。
参考までに日セフ連試験の種類、等級、 試験時間を記載します。
(1系列当たりの正味実施時間)
耐溶断・耐工具試験
TRTL-15 15分
TRTL-30 30分
TRTL-60 60分
耐工具試験
TL-15 15分
TL-30 30分
TL-60 60分
TS-15 15分 2系列(施錠装置への攻撃、扉をこじ開ける試み及びカンヌキを開放する試み)の試験を特定の工具により15分間行います。
金庫の開け方の違いと注意点
ダイヤルを回す金庫だけではありません。
開け方にもいろいろな種類があります。
金庫にはシリンダー錠、ダイヤル錠、暗証番号、指紋静脈認証、カードキーなどで開けるものがあります。
いずれも家の人、関係者のみが開錠できるように鍵も暗証番号もしっかりと管理しておくことが大事です。
電気がないと開けられないタイプの金庫はコンセント抜け、電池切れには注意しておく必要があります。
開けたいときに開けられないことがあります。
金庫にはそれぞれの開け方があります。
「鍵」となるものを紛失してしまうと金庫を壊す以外には中身を取り出すことは困難です。
金庫の開け方を忘れたり、鍵をなくしたりした場合
もし金庫の開け方を忘れる、鍵をなくすなどした場合どうすればよいのでしょうか。
警備会社に勤務していたとき、「開かない。何とかして開けてくれ」といった要請がよくありました。
簡単な原因なら何とかなるのですが、どうにもならないときは壊す手配をします。
金庫は製造元でも壊さず開けることが困難です。
金庫の設置方法と取り回し
金庫の設置方法についてもご紹介します。
設置方法によっても防犯効果がかわってくるものがあります。
・通常設置
家人のみがわかる場所に設置し、金庫自体の重さと大きさで持ち出しが困難な場所に設置することで防盗しています。
大きさや形を工夫したものもありますので押し入れや引き出しの幅に合わせたりもできます。
・床固定設置
設置場所の床にベースボード(鉄板)を置き、金庫の内側から接続固定することで持ち出しができないようにしているものです。
コンクリート床であればその床に穴をあけ、金庫を固定設置することも可能です。
金庫自体を盗んでいく手口に対する対策となります。
どのような金庫でも時間さえかければ破壊し中身を取り出すことは可能です。
この金庫に関しては設置された場所でしか破壊工作ができないため、警報装置等と組合わせることで大きな防盗性能を備えることになります。
設置には専門工事業者による施工が必要となり、金庫単体+設置費用となり費用が高くなります。
重要な保管物があるのであれば、このタイプの選択がおすすめといえます。
・壁埋め込み
文字通り壁に埋め込んで設置します。
銀行や金融機関の金庫はこのようになっています。通常の事務所やご家庭で設置することはないでしょう。
・手提げ型
小型で常に持ち運びができるタイプの金庫になります。
防犯性能としては無しに近いですが、常に監視できる手元付近においておける金庫として有効です。
金庫の設置場所のおすすめ
防犯の観点含めた金庫の設置場所は以下がおすすめです。
・金庫の重量に対応できる場所に設置します。重さがありますので、傷んだ床や傾きがある場所に設置することは避けたほうがよいです。
・人の出入りの多い入り口や窓から離れた場所に設置します。
・普段目につかない納戸や押し入れに設置するときは、金庫の寸法と空間のスペースに合わせると良いです。
金庫ごと持ち出しにくくできます。
ダミー金庫を別の場所に置いておくのも効果的ですよ。
以上「【ご参考】金庫の選び方と設置場所のおすすめ」でした。
ぜひ金庫導入前の参考にしていただければと思います。